ナノ環境機能化学

要素を集める・並べる・バラバラにする → 場をつくる・つかう・理解する

ナノサイズの微小な界面・空間は、異相の交わりや分子の夾雑によって織りなされる奇特な性質を示します。例えば機能の最小構成単位である分子はナノ環境に集積されることでバルク相中とは大きく異なる振る舞いをみせます。我々はこのようなナノ環境を物質工学的に制御する手法を構築しさらにそのデバイス化を図ることで特異な機能の創発と応用開拓に挑んでいます。

分子認識場のオンデマンド構築

 ナノ界面・空間において分子認識ユニットの組織化制御を実現する材料・プロセスを開発し分子センサの選択性をオンデマンドに調節する技術を実証しています。さらに多彩な分子認識場をワンチップ上に集約・並列化することで多岐に渡る生体分子の動態を「いつでも・どこでも」「定量的・網羅的に」解析し得る分子計測基盤の創出を目指しています。(JSTさきがけ/例:ACS Appl. Mater. Interfaces 2020

キーワード:分子自己組織化、界面集積体、集積センサアレイ

アクアトロニクス

 電子デバイスの動作にあたって”水”は通常忌避すべき存在とされています。一方で電解質を含む水溶液は微小な電界下において極めて高いキャリアドーピングを実現する誘電層をナノ界面に形成します。このような水の特異性に着目し電子デバイスの構成要素として”水”をあえて組み込むことでグリーンかつ高性能な情報変換デバイスの開発に挑戦しています。(例:Chem. Commun. 2018

キーワード:高分子トランジスタ、電気二重層キャパシタ